4)歯磨きを絶対させてくれない

                   チワワの咲, 一緒に過ごす, 第二の人生

   ヒトの社会の中で一緒に暮らすために、イヌが覚えなくてはならない事は、トレーニングで大体覚えたと思いますが、ただ一つだけ出来なかったのは、歯磨きです。いろんな歯磨きの器具を使って歯磨きが出来るように、根気よく続けて見たのですが、これだけはどうしても、受け入れてくれませんでした。そこで、致し方ないので、おやつ感覚で歯磨きが出来るアイテムとして歯磨きガム(ササミステック)や歯磨きトリーツという製品があり、ポリリン酸や歯垢を分解する酵素(グルコースオキシダーゼ、ラクトペルオキシダーゼ)が含まれていると効果的と言われているので、これを長く使っていました。見える部分の歯については、かなり白くなっている(黄色くなっていない)ので順調かと思っていました。

  動物病院で定期健診の診察を受けた時に、医師から歯の先のほうは綺麗になっているが、歯の根元のほうに歯石が出来ていて、手術して取らないと、先々「歯周病」になって、菌が身体の中に入ると、命に係わると驚かされました。そこで、「犬の歯周病対策|歯石・歯垢の取り方と予防方法を紹介」(ぐう動物病院 白神 久輝先生監修)を調べてみると以下の事が書いてありました。
 歯垢a) や歯石b)が溜まることで口内トラブルである「歯周病」になります。「歯周病」は、歯周組織に起きる炎症性の病気の総称で、「歯肉炎」になると歯と歯肉の間に炎症が起こり赤く腫れます。これが進行し「歯周炎」になると、歯を支える歯根膜や歯槽骨が破壊され、歯の周囲の血液にも細菌が混入し、細菌が体中に回ると、腎臓病、心臓病、肝臓病などのきっかけになるなど、「歯周病」は放置すると非常に恐ろしい病気です。つまり、歯石を放っておくと、「歯周病」になったり、口腔内以外の臓器(心臓や腎臓など)へも悪影響がでることになります。  
a) 歯垢(口腔内の細菌が唾液中の糖蛋白に定着し、生成するネバついた成分 : プラーク)
b) 歯石(唾液中のカルシウムが歯垢に沈着して固くなったもの。歯垢をそのまま放っておくと3~5日で歯石になる。歯石は、歯磨きで除去することが非常に困難になる。)

これでは、致し方ないので、歯石を取るための手術を受けることにしました。手術をするには、麻酔をする必要があり、また、歯石を取ると歯がぐらついて、歯を抜かなければならいリスクもあると言われました。朝、咲を病院に連れて行って、午後手術をして、麻酔から普通に覚醒すれば夕方には家に帰れますが、麻酔から、なかなか醒めない時には病院に泊まることになっていました。夕方、病院に電話をしてみると、術後の麻酔も問題なく覚醒し、手術の結果、歯石も無事取ることが出来ました。また、歯を抜く必要もなく、無事日帰り手術で終わることが出来ました。その後、2日間は歯石に付いていた菌が身体に回って感染症を起こさないように抗生物質を飲ませました。

今回の歯石の手術は、これで全て無事済みましたが、歯石の手術した後の歯の部分は、歯垢が付きやすいので、今後のケアーが大事だと言われました。普通に歯磨きが出来ないなら、歯垢を分解するスプレーを使うとか、ご飯の後、おもちゃの縄を咬ませるとか、歯磨きガムを小さくして与えずに、1本を使って左右の奥歯に咬ませるようにして歯垢を取るようにするとよいとアドバイスされました。何とか、歯磨きをする方法を、もう一度考えてみたいと考えていますが、咲は一度したくないと思ったことは、させようとしないので、難しそうです。

結局、一緒に長く暮らしていると、甘やかす部分が出てきて、今回のように、嫌がれば歯磨きはしなくても良いという「しつけ」をしてしまったことになります。当時は既に、私は家で医薬品関連のコンサルタント業務をするようになっており、咲の世話は、私が全て行う事になっていました。そのため、どうしても、可愛さのあまり甘くなってしまったと思います。

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