5)9歳の時、異変があった

                     チワワの咲, 一緒に過ごす, 第二の人生

   は雌で避妊手術も受けていて、これ迄9年間大人しく、本当にいい子でした。いつも私が動くと後を着いて来て、我々が少しの間、家を空けても1人で静かにお留守番も出来るし、返ってくれば、直ぐに飛びついてくる子でした。コロナが始まってからは、特に、私は家にいる時間がさらに増えることになりました。

    丁度、その頃でした。これ迄、頭を撫でたり、ブラッシングしたり、シャンプーしたり、爪を切ったり等、身体に触っても大人しくしていたのが、ある日を境に急に、咲に触ろうとすると唸りだして、歯をむき出して、狂ったような形相で咬むようになったのです。最初は何が何だかよくわからず、何か機嫌が悪いのかと考えていましたが、夫婦とも10数回、指をおもいっきり咬まれ、かなり出血したこともありました。

   あまりにもおかしいので、直ぐいつもの動物病院に連れて行ってみてもらいました。身体の調子、臨床検査の結果を見る限り、原因は分かりませんでした。そこで脳の障害や精神的な障害も考えられるので鎮静剤を暫く飲んでみると共に、少し遠くの大きな動物病院でMRIを取ってもらう事になりました。MRIを取るには、また麻酔をかける必要がありますが、今回も問題なく麻酔から覚醒し、脳の画像を見る限り、異常は見られないという結果になりました。鎮静剤も芽生が咬む行動には、特に効果は見られませんでした。医師の話では、次の手段としては、行動診療科に行って診察を受けてトレーニングを受けるしかないとの話でしたが、日本では行動診療科の認定医は全国で20人位しかいないので(日本獣医動物行動研究会の認定医制度)、簡単に診療を受けられる所が見つかりませんでした(私の住んでいる所から、一番近い施設は、1時間位掛かる東京大学付属動物医療センターになりますが、予約がだいぶ先まで埋まっているとのことでした)。

    そこで、行動診療科の認定医である、ぎふ動物行動クリニックの院長である奥田 順之 先生が執筆された「犬の咬みグセ解決塾」を何度も読みました(関連記事に本の内容の要点を纏めてありますので、ご参照願います)。本を読んだからと言って、直ぐトレーニングが出来るわけではありませんが、それでも、出来る事から少しずつやっていくしかないと考えました。

  我々のような素人が出来ることは限られていますが、先ずはおやつを使ってのトレーニングとして、膝の上に咲を乗せてブラッシングしておやつをあげる、膝の上でボディータオルで身体を拭いてあげておやつをあげる、うんちをした後は膝の上に載せて肛門をティッシュで拭いてあげる等、膝の上の高い所だと逃げずらいのとおやつがもらえるという行動を続けることで、頭を撫でたり、ブラッシングしたり、爪を切ったり等、身体に触っても咬まれることは、少しずつなくなりました。ただ、身体全体のシャンプーをするときは、歯をむき出しにして咬む態勢になりますので、ここ半年くらいは、写真に載せた大型犬をシャンプーする時に使用する厚手の大きなゴム手袋を購入して、夫婦二人がかりで、咲を洗って、ドライヤーで乾かしてあげています。最近は、この手袋もしなくてもよさそうな感じになってきています。

(30㎝の定規を、参考までに載せました)

  一時期、相当咬まれましたが、やっと最近は咬まれることもなくなっては来ていますが、元のように、何も考えずに咲の相手をするまでには、なってないように思います。もう少し時間が必要なのかなと感じています。

 結局、何故あんなに大人しかった咲が急変してしまったのかを考えてみると、未だに原因は分かりませんが、身体的、病的なものが原因ではなくて、何らかの精神的な要因によるのかと感じています。何らかの要因によって、それが咲にとっては相当のストレスになって、精神的なバランスが崩れてしまったことも関係しているように思っています。

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